こんにちは!おてライターのHIDEさんです。お寺が楽しくなる情報を発信しています。
12月9日&10日と京都西本願寺で行われる『ごえんさんエキスポ』というビッグなイベントに、ぼくも『お寺×地域 おてらまちのつくりかた。』という名前で出展させていただくことになっているのはお伝えしている通りです。
前回の記事で、ブースで「坊主めくり」をみなさんと楽しみながら、「お寺と地域のお話」をさせていただくと伝えしました。現在、開催が目前に迫り、ブースの準備や配布物など、もろもろを鋭意作成中です。
ちなみに、前回の補足として、「坊主めくり」以外に以下のような企画を考えていました。
①坊主のBOSEをディープ語りたい人集まれ!
②ボウズ頭について美容師&理容師と坊主とパネルディスカッション
③だるまさんがころんだをその場にいる全員でやる。(関西では坊さんが屁をこいだ)タイトルはスクールナーランダにちなんで、「ダルマサンガコーロンダ」
④マジックザギャザリングを本願寺ギャザリングが行われている外で勝手に同時開催。
⑤リアル坊主めくり…会場のお坊さん、来場者たちをシャッフルして、「お坊さん」「Not お坊さん」と、多く言い当てられた人の勝ち。
と、ワルのりが多いですが…。ポイントは、「馴染みのあるもの」と、「お坊さん」をかけたかったんですね。
まあ結局、シンプルに「坊主めくり」をするという、一番現実的なところに落ち着いちゃいました。
ただ、上記企画は今後、チャンスがあれば積極的に狙っていきたいと思います!キリッ!!
お寺が地域に関わる理由とは?
さて、そろそろ真面目な話もと思うので…今回は「なぜ、お寺が地域に関わるのか?」というこをお話ししたいと思います。
「お寺の仕事だけしてればいいんじゃないの?」というご意見もあるかと思いますが、地方寺院の実感としてはそうもいかない状況になっていますので、「地域」というポイントが大きくなってくるわけです。
「なぜ、お寺が地域に関わるのか?」ということについて、先に結論から申しますと、お寺と地域はとても密接につながっているから関わるのです。
どうして、そう思うようになったのか?そこに至った思いをお話ししたいと思いますね。
新しい土地での生活
ぼくは元々、滋賀県の出身で結婚して豊前に来ました。
豊前に来た当初。新しい土地に移ってきて、早く慣れなければという気持ちで、お参りを一生懸命におこなっていました。
その結果、ご門徒さんにも早々に顔を覚えてもらえましたし、当初はゼンリンの地図を片手に行っていた毎日のお月忌参りのおかげで町の地理もあっという間に覚えてしまいました。
けれど、それだけではどうしても繋がれない人がたくさんいました。それが、町の人たちでした。
今から考えると「行かないから繋がれない」という単純な話なのですが、当時のぼくは気づいていませんでした。
ただ、行かなかったのは少し理由があって、それは、町の中心に祭りがあったからでした。
賢明寺周辺では『八屋祇園』というお祭りがあり、町の人たちにとても大事にされ、大人も子どもも熱を上げます。ただ、ぼくはお寺の人間でお祭りは神事ですから、大手を振って参加するというのはちょっとできないわけです。
そんなこんなで、町のお祭りには見学者として参加すること数年。お寺だからと一定以上の距離を置いていたことが原因なのか分かりませんが、若い元気のある人たちと豊前に来て数年は顔を合わすことがほとんどありませんでした。
でも、毎年のお祭りの様子やあざやかに飾られた山車をお寺の山門から見ていると、関わる人たちはとても楽しそうで、元気のある人たちが多いんだなということが分かってきました。
祭りを中心に町のパワーを見せつけられて、「これは、町の人たちと関わらなければいけない。いや、関わりたい!」と強く思うようになったのです。
現在では関われるところは積極的に参加させていただいています。
背中を押された寺業計画書
「町に関わろう!」という思いを、「行動」に転じさせるに至ったターニングポイントとして、未来の住職塾へ行ったことが挙げられます。
住職塾の中で、宗派を超えた多くの仲間と学び合い、今後の指針となる「寺業計画」を苦労の末、仕上げたのですが、その中でお寺のキャッチコピーを「人と心のよりどころ賢明寺」にしました。
紙に自分の思いと、未来像をしたためたことで、「やらなければ、行動しなければならない!」という強い思いが湧き起こってきました。
そして目指すべき方向性である「人と心のよりどころ賢明寺」を目指していくのには門徒関係なく、近隣の町の人にも来てもらえるお寺づくりをしていかなくてはならないという考えにいきついたのです。
実際にそれを実行するには自らが町の人たちの中に入っていき、町の人たちと交流することが大事なことでした。
なぜなら、構えているだけでは町のことを知ることができないし、そこにいる人を知ることもできないからです。
積極的に町と関わらなければ「人と心のよりどころ」づくりは難しいぞと思ったのが、町のことに大きく関心を抱くきっかけでした。
新しい土地で関係づくりはほぼゼロからでしたが、豊前に来て、町と関わるまで5年ほどかかりましたが、現在では町の青年会に入り、町の行事をお手伝いさせていただくようになって数年が過ぎました。
町に関わるようになってできたご縁
町の行事でお会いすると、ご門徒さんの普段とは違う表情を見ることができたり、「よく来てくれた!」と、話しかけてくださる方が増えました。
よくよくお話しを伺ってみると、門徒ではないけれども、お寺のことを大事にしてくださる方がとても多く、「小さい頃には境内でよく遊ばせてもらったよ」という方もたくさんおられ、嬉しい気持ちになったのを覚えています。
また、青年会に参加したことがきっかけでご縁ができて、お寺の行事を町の方が手伝ってくださったり、法座にお参りしてくださったりということは大変にありがたいことでした。
お寺と地域の共通の課題
町の人たちと交流する中で、町とお寺の抱えている問題は同じだということも気づかせてもらいました。
大きくは次の3つ。
・人口減少
・少子高齢化
・社会状況の変化への対応
これらは地方であればどこの地域も抱えている問題だと思います。
うちの地域は現時点では祭りが次世代への伝統継承のとても重要な位置を占めていますが、人口減少という大きな課題がある中で、活発な町も今後はどうなっていくか分かりません。現在、豊前市は2万6000人ですが、2040年には1万9000人になるという試算も出ているのです。
その中で、伝統的なものをいかに若い世代に受け継いでいくのかというのは町の課題でもあるわけです。
それはお寺も同じです。例えば、家庭内での仏事における世代間継承もうまく行かなくなってきていますし、子ども達向けの行事である日曜学校の参加者も少なくなり、境内で遊ぶ子どもの姿もほとんど見ることがありません。法座の参拝者も減っています。(そのあたりの不安が大きく、住職塾へ行く動機でもありました。)
それでもなんとか、次世代へお念仏のみ教えを伝えたいし、仏教の教えを聞いて喜ぶ人やお寺と関わる人をもっと増やしたいと思っていますが、町全体の人数が少なくなるのは明らかで、今までとは大きく舵を切る方向を変えなくてはならないのが現在の状況です。
諦めずにあがいてみる
では、お寺と町の課題が同じであるなら、一緒に取り組んでみてはどうか?いや、取り組むべきだと思いました。
実際、お寺周辺の人たちは町の人たちですし、ご門徒さんであることも多いわけです。ならば、お寺が地域のことを積極的にする理由が大いにあります。町の人に喜んでもらうことができれば、ご門徒のためになるし、ご門徒に喜んでもらえれば町のためになるわけです。
ただ、今、対峙している課題は強大です。
「人口減少」「少子高齢化」これはもはや社会問題であるので、地方のお寺や地域が頑張ったところでどうにかなるものでないかもしれませんし、人口を昔のように増やすというのは現実的ではありません。
しかし、どうなるかは結果論です。
上手くいけばお寺や地域に関わる人は増えるだろうし、上手くいかないこともあるかもしれない。
けれど、ただ一つはっきりしているのは、諦めれば、そこで試合は終了だってことです。
ならば、ぼくは今何をすべきか?何ができるのか?
そこで考えたのが、お寺と地域の「楽しさ」を伝えることだったのです。
関わることで楽しいことがいっぱいあるんだよということを伝えたいのです。
外から来たぼくだから伝えられること
内側にいる人にとって当たりで前あっても、外側にいる人にとってはとても魅力的だと感じることがあります。
その魅力は「楽しさ」につながります。
しかし、内側にいる人はこのことに気づくのが苦手です。地域で言うと、「豊前ってなんにもないけんね」と口々に言われるのがその証拠です。
ですが、ぼくから見たらそんなことはまったくありません。海も山も近く、おいしいものが豊富にとれ、人柄もよく、面白い人がたくさんいるとっても魅力のあるところです。
日本全国にそういう地域はたくさんあるかもしれませんが、地域との出会いもご縁ごとですので、自分が生まれ育ったところ、関わったところを誇れるようになるのが、地域を大事にするということだと思いますし、自分にとって故郷は「特別」で「常にオンリーワン」であり続けるという人も多いはずです。
ですから、他と比べる必要なんか本当はないと思っていますが、「地元って、なにもない」と思っておられるのもまた事実です。
まさにここに、ぼくの強みはあります。
ぼくは外から来ましたから、先入観があまりありません。むしろ、これもあるじゃないか。あれもあるじゃないかと、自然に「あるもの探し」になっていきます。
発見は楽しいですし、知らない人に伝えたいという気持ちになります。つまり、あるものを発見し、伝えることがぼくの役割なのだと思うのです。それはこれから豊前に来る人もそうですが、何より、地元の人たちに豊前はすばらしいと誇りを持って欲しいと思っています。
魅力をWebで発信
その上で重要なのが、「情報を発信する」ということです。特にWeb発信です。現在ではWeb上に存在しないものはリアルでも存在しないと認識されると聞いたこともあります。
自分たちには当たり前と思っていることも外から見ればとても魅力的なものはたくさんあるわけで、それをWeb発信していく。そうすることで、初めて当たり前であったかどうかということが問われていくのです。発信しなければ、その情報を見て面白いと感じ、訪ねてくる人が出てくる可能性はゼロになってしまいます。
実はこの「情報発信」はお寺にとっても大事なところです。
お寺の内側にいる人間は当たり前と思っていることがたくさんありますし、情報をなかなか外に出さない風潮があります。
けれど、それは魅力を閉じ込めてしまっている行為なのかもしれないと、教えてくれたのはお寺に初めて足を運んでくれた人たちでした。
お寺での様々な活動を通して人々と触れ合うと、お寺の人間が当たり前に思っているお寺での何気ない習慣や、空間が参拝者の琴線に触れることが多々あります。
そういう場面を目にすると、ぼくたちが感じているお寺の魅力の範囲は狭いのではないか?と思わずにはいられませんし、当たり前と思っていることも実はとても魅力的なことだと周りの人々が教えてくれるのです。
ですから、情報を発信していくことがとても大切だと考えますし、徐々にではありますがその効果もでてきていると実感しています。
賢明寺が目指す未来
しかし、依然としてお寺を取り巻く厳しい状況は変わりません。
そこでネガティブになって、「これからどうなるだろうか…」と考えるよりかは、ポジティブに「どうすれば楽しくできるか」ということを考えてくほうが断然いいに決まっています。
人は楽しいところに集まるというのが基本です。それに、その楽しさが伝わって、お寺に来てくれる人や関わってくれる人の輪が広がれば嬉しいし、その人たちと共にお茶でも飲みながら、仏さまの話をできれば最高だなと思います。
ただ楽しさにはいろいろあって、イベント的なはじける楽しさもあれば、お寺ってほっとするなぁとか、法話っておもしろいんだなぁという、おだやかな楽しさもあります。それぞれの楽しみ方ができるのがお寺という場所だとぼくは考えます。
「お寺って葬儀法事だけじゃないんだ。」
「なんか楽しいね。ほっとするね。」
「今日はなんにもないし、お寺によっていこうかな」
そういう会話が人々の間でされる未来を思い描きながら、これからも情報を楽しく発信していきたいと思います。
「人と心のよりどころ賢明寺」そうなれる日が必ず来ると信じて。
ちょっととりとめもない内容になりましたが、詳しいところは12月9日&10日、西本願寺でお話させていただければと思います。
ほんと、寒いので、いや、さびしいので、来てくださーい!!おねがいしまーす!!
この記事のつづき、Road to ごえんさんエキスポ⑥はこちらから↓
12月9日&10日開催!西本願寺イベント・リンクまとめ
申し込めなかった方に朗報!スクールナーランダ、ギャザリングともに西本願寺別会場でパブリックビューイングあり!とにかく、当日は西本願寺へ集合だ!!
申込みを終了した「スクール・ナーランダ」は、ご好評を受け境内にある「安穏殿」2階にてライブビューイングを行います!(事前申し込み不要)FBページより
(本願寺ギャザリング)当日、境内各地にモニターを設置しており、そちらは自由にご覧いただくことができます。FBページより
●スクールナーランダ特別編
公式HP
”https://nalanda-special.jp/”特別編Facebookイベントページ
”https://www.facebook.com/events/1502241663191612/”スクールナーランダ主催者Facebookページ
”https://www.facebook.com/HonguanjiNalanda/”●本願寺ギャザリング
”https://www.facebook.com/events/2009569559317455/”●ごえんさんエキスポ
ごえんさんエキスポFacebookイベントページ
出展者の紹介などはこちら↓
”https://www.facebook.com/events/116031752506684/”ごえんさんエキスポNEVERまとめ
”https://matome.naver.jp/odai/2151006776376620901”●西本願寺ホームページ
イベント紹介ページ
”http://www.hongwanji.or.jp/dentou/info/002172.html”
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