ふとつけたテレビで、イギリスの幼稚園か保育園の様子が映っていた。
どうやら5歳児を追っかけたドキュメントのようだ。
隠しカメラやマイクなどで、子どもたちに迫り、
リアルな会話や行動を大人たち(学者さん)
が別室で見ているというものだった。
子どもたちが大人っぽい部分を垣間見せたり、
途中には子どもたち自身のインタビューがあったり、
ずいぶんウチの子たちと違うなぁと、少しおかしく、感心しながら見た。
吹き替えだったこともあって、ウチの子たちと一緒に見たのだが、
同じような年齢の子が出ているからか、みんなテレビの前にくぎ付け。
後ろから見ていて、ちょっと面白い光景だった。
そのテレビの中、ある場面に興味をそそられた。
その場面とは、女の子2人組が、
おままごとで、お医者さんごっこをしているシーン。
一人はベッドに寝そべり患者役を。
一人は白衣と聴診器を持ったお医者さん役だった。
お医者さんの女の子が言います。
「一週間前にレントゲンを撮ったでしょ?実は…悪いお知らせがあります。」
「死ぬかも。死ぬかもしれません。」
その言葉に、患者役の女の子は、
「え!?」という反応。
おかまいなしに続けて医者役の女の子が言います。
「いいことをすれば天国に。悪いことをすれば地獄に行きます。」
「天国はいいですよ。天国!いいところですよ!」
との言葉に対して、患者役の女の子は、
「まだ子どもなのに!!」と目を見開きびっくりした様子で、オチとなった。
おままごとのはずなのに、途中から本気のような感じになっていくのと、
どこで仕入れたんだという、ぽい言葉。
すこしカルト的な雰囲気を醸し出していたお医者さん役と、
患者役の女の子の反応がとてもおかしいシーンだった。
だけど、この場面を見て、ふと思ったことがあった。
「死ぬかもしれません」という告知直後の、
「天国いいところですよ!」という、
医者が処置をせず、すぐに死後を語るという
とてもシュールな場面なのだが、
死ぬという苦しみを受け止めずに、無視して、
死後の世界がいいところ!と言うのは怖いなと思ったのだ。
聞いている側からしたら、
この人怖いって思うはずだ。
医者役の女の子が言っていることは、
正しいかもしれないけど、
これから死んでいく(設定の)患者役は、
気持ちの整理もついていないのに、
死後の話??
ちょっとまってよ!となるのは当たり前だ。
このことを考えて、少しドキリ。
ぼくも法話でもこういうことをしていないだろうか?
相手の気持ちをすっとばして、
自己満足な論理を展開していないだろうか?
このあたりは、よくよく考える必要がありそうだ。
そんなことを5歳児に教えてもらった、34歳の夏。
5歳児、あなどるなかれ。です。
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