みなさん、こんにちは!いかがお過ごしでしょうか?
2020年春。
ウチのお寺では新型コロナウィルスの感染防止を考え、春のお彼岸法要の一般参拝をとりやめました。
(内々で法要はとりおこないましたが。)
ただ簡単に法要中止は悔しかったので、なんとか法要に参加してもらえる方法はないだろうかと考えた結果、インターネットを使いオンラインで法要を生中継することにしました。
いわゆるネット中継。生配信です。
テレビ画面の右上によく書いてある「LIVE」というやつですね。
日にちを3月18日に決定し、それまでに機材の準備、ソフトウェアの扱い方を急遽学び(ググりました)
法要当日の撮影・中継など、やることはたくさんで、はじめてのことだらけだらけでしたが、なんとか無事配信することができました。
今回の記事では「オンライン法要 振り返り」として、これからオンライン配信されるかもしれない寺院さんに向けてあれこれあったことをリアルに書いてみたいと思います。
オンライン活用はもし新型コロナウィルスの影響が長引けば、しっかり考えていかなければならない課題だと思いますのでぜひ、参考にしてみてくださいね。
実際のライブ配信の録画動画リンク>>>賢明寺春彼岸法要オンライン
記事のいちばん最後にも動画を埋め込んでおきます。
前置きとして:オンライン法要に関して
もしかすると「法要を中継?オンライン?」といぶかしく思う方もいらっしゃるかもしれません。
ネットの世界は仮想空間だから、現実の世界には及ばないという思いを持っておられるのかもしれませんし、
そうではなくて、ご門徒のことをよく考えておられるからこそ、お寺はご高齢の方が多く電子機器をうまく扱えない方も多くいらっしゃるので、
その方たちが見てもらえない状況があるのはちょっとなぁ…とお考えなのかもしれません。
でもだからと言って、できることをあきらめてしまうと、完全にゼロになってしまいます。
全員には届かないかもしれないけど、反対にオンラインなら見てみようか、時間の都合がつくという方もいらっしゃるかもしれません。
少しでもゼロをイチにできるなら、
少しでも仏法を届けられる可能性があるのであれば、まずはやってみる。
これでいいのだと思います。
オンライン法要:配信方法は?
まずは今回の配信の方法を簡単にお伝えします。
概要は次の通り。
- YouTubeの賢明寺チャンネルにて
- 普段の法要開始と同じ13時半から法要中継スタート
ライブ配信にYouTubeを選んだ理由はYouTube自体の視聴者が多いことと、私自身がなじみがあったからです。
もともと賢明寺としてイベントの様子を動画として観てもらうために数年前に作っていたYouTubeのチャンネルがあったので、これを活用しました。
また昨年からお寺の様子を見てもらうために本格的な投稿を開始(マイペースですが)していたこともあり、操作になれていたこともYouTubeを選んだ理由です。
もしかすると、ライブ配信は技術的なハードルが高いと思われるかもしれませんが、YouTube以外のTwitterやフェイスブックやInstagramその他のアプリでも気軽に始めることが可能です。
スマホやPCを持っていれば、すでに身近に配信機材がそろっているということになります。
オンライン法要:日時の選定
日時時間に関してですが、日にちは春のお彼岸の2日目。(2020年は3月17日が彼岸の入りでした。)
時間はご門徒がたになじみのあるお昼13時半からとしました。
平日ではありましたが、録画することもできるので見逃したとしても見てもらえるチャンスはあると考えました。
オンライン法要:準備期間のこと
それでは準備期間のできごとをお伝えしていきます。
開催日が3月18日に決定し、準備期間はおよそ2週間あるかないかぐらいだったと思います。
コロナ騒動前にすでに未定だった春の法要
実はもともと2019年の末時点で春の法座は講師の都合により未定になっておりました。
1月の報恩講の際に年間の法要日程をお知らせするのですが、春のお彼岸だけは空白にして、日にちも講師も決まっていない状態でご門徒さんたちには案内をしていたという状況です。
お彼岸が迫ってきたので春の法座は近くのお寺さんに頼むか、自分たちでお取次ぎをするか?どうするか考えていました。
そんな折、新型コロナウィルスの影響により大規模イベントがつぎつぎと自粛となり、全国のお寺さんたちも対応に迫られたのはご存じの通り。
ウチは前述のように内々では法要を務めますが、一般参拝はとりやめようということになりました。
そのあとに、「春の法要をオンライン配信してみたいのですが。」と住職に提案してOKをもらったという流れになります。
ですので、ご門徒さんたちはオンライン法要が決まった時点で春の法要をいつやるか日程も知らない状況でした。

じゃあ、どうやってオンライン法要をお知らせしたの?

次の項目でお話していきますね。
お知らせ方法はSNSと一軒一軒説明
通常であれば法要のお知らせとして直前にお寺からのハガキ出すのですが、本堂への参拝があると勘違いさせても悪いしということで、お知らせはしませんでした。
その代わり、月参りの際に丁寧に状況を説明しながらオンライン法要を告知してまわりました。
一般参拝はとりやめること、その代わりオンライン法要を行うことを伝えていきました。
この際にお知らせだけでなく確認したことがありました。
それはパソコンやスマホ、タブレットを持たれているかどうか? です。
こういったツールがないとオンラインで視聴することができませんからね。
お寺は高齢の方も多いので全員がスマホやタブレットを持っているわけではありませんが、
驚くことにかなりの数の方が持っているということが判明しました。

私の肌感覚としては8割ほどがスマホタブレットを持っているという感じでした。
オンラインのインフラはまだまだと思っていましたが、実際に調査してみると、オンラインの活用ってこれからけっこういけるんじゃないかと思いました。
そして、月参りでのオンライン法要の説明・告知に合わせてご門徒さんたちとLineやケータイ・スマホ電話番号の交換。
今まで家の電話はお寺として保管していましたが、より身近なスマホやケータイの番号は記録していなかったので、思い切って聞いてみるいい機会だと思いました。
Lineやメールは今後緊急的な場合にすぐお知らせができますし、普段のお寺からのお知らせもハガキと合わせて案内もできますしね。
今回は前日に最後の一押しという感じで、オンライン法要開催のメッセージを送らせていただきました。
それともう一つの告知方法が賢明寺では定番のSNSです。
Googleビジネスのサイトと、Facebook、Twitter、Instagramで告知しました。
SNSはけっこう見ておられる人も多く、今回のオンライン法要の件では東京にお住まいのご門徒さんの息子さんが、お母様に「今度、賢明寺さんがオンラインでやるそうだよ」と教えてくれたという話も聞きました。
普段からSNSを運用しておくと、見てくれる方も徐々に増えていきますので、おすすめです。
機材の手配
つづいて機材に関してです。
今回はもともと持っていたカメラ機材を活用したいと思っていたのと少し画質にこだわりたかったので、当日までに新たに機材を購入しました。
とはいえ買ったのはほとんど、コード類。
HIDMIコードというカメラとパソコンをつなげるものでした。
というのもカメラごとに接続端子の形状が少しずつ違うので、それに合ったものを揃える必要があったからです。
もし配信を一眼カメラやビデオカメラで考えておられる方はコードの形状と長さは必ず確認しておいてください。
このように書くと機材が必要で大変そうだと思われるかもしれませんが、画質にこだわらなければパソコン一台あればYoutubeの生配信は可能です。
できる形で始めてみて、必要なものを増やしていくという形でいいと思います。

ちなみに、Youtubeの生配信カメラとしてスマホは使えません。スマホでの生配信の条件としてチャンネル登録者が1000人必要だからです。
でもこれはスマホだけのことで、パソコンなら登録者1000人以上という制限はありません。
さらにYouTube以外のInstagramでのインスタライブやフェイスブックであればスマホを生配信のカメラとして使用することは可能です。
前日 本堂の準備、生配信のテスト
前日はお掃除して、打敷をかけました。
参拝はありませんが、きれいにしてお迎えする気持ちでさせていただきました。
機材とソフトに関してですが、当日トラブルが出て配信できないとなると困るので前日に実際に生配信してみました。
電源や配線、コードの長さのチェックもできたので、これはやっておいて本当によかったです。
もし、ライブ配信の予定がある方は必ず事前に実際に配信してみることを強くおすすめします。
少し技術的なことをお話しておくと、YouTubeの場合は「非公開」または「限定公開」でのライブ配信が可能です。
テスト配信や、ライブ配信はってどんな感じかな?という方は気軽に試すことが可能です。

最初、非公開機能を知らなくて、マイクチェックをしているものを生配信していました…。
ちなみに、下の「ライブ配信を開始」ボタンを押してもすぐに配信になりません。
気になってたけれど、こわくて押せなかったという人は安心して試してみてください。

Youtube画面の右上にあるボタン
話を戻します。
前日にテストを兼ねた生配信をやってみたということでしたが、
今回は複数台のカメラ(ミラーレス一眼)を使っての配信を予定していたので、カメラ位置、レンズ、ソフトの動作などを考えるのが大変でした。
中でも配信中に「準備中」などの画像表示を出したかったのでOBS Studioというソフトを使ったのですが、
PCの配信ソフトだけで配信が開始できると思い込んでいたところ、前日のテストの段階になってYoutube側の設定も必要だということが判明しましたが、なんとか前日に気づき対応することができました。
これが当日だったら危なかったですね…。ほっ。
注)大変だったのは最初なのにこだわろうとしたからで、普通は割とサクッとライブ配信を始められます。

本格的に配信したい方に向けて、もっと詳細な機材やソフトについては別記事で詳細にお伝えしますね。
オンライン法要 当日準備
さあ、いよいよ当日です。
午前中は月参りをして、11:30ごろに帰宅。昼食。
12時ごろに本堂の準備をスタートしました。
機材は防犯上、本堂から撤去していましたが、前日に配置などを確認していたので割とスムーズに用意することができました。
私は普段の法要では仏飯、蝋燭、線香と事前の準備をします。
これらは直前に用意しないと消えてしまうので法要開始30分ほど前にするのですが、
今回はそれらのお供えに加えて機材、配信準備があったためてんやわんやでした。
あとから思ったのですが、お供えは別の人に任せて良かったかもしれません。
またかなり焦ったのが直前の音声トラブル。
プツッという大きい連続するノイズが入って、しばらく消すことができませんでした。(もしかしたら生配信の録画の最初の方にノイズが残っているかも…。)
ギリギリでカメラが原因と分かり、一度カメラの電源を入れなおすと通常の音に戻りました。
当初の予定では13時から配信開始して、いろいろとお話しながら法要を始めようと思っていたのに、そういったトラブルもあって結局直前になってしまいました。

これは時間配分ミスでした。あと30分は欲しかったですね。
オンライン法要開始! Youtube LIVE配信中
法要開始です。
法要前に鳴らす喚鐘は小さいキンで代用しました。
(録画を見てもらえれば分かりますが、分かる人にはちょっとシュールに映っていると思いますw)
その理由はウチのお寺が住宅街でご門徒さんもすぐ近くのために
喚鐘の音が聞こえると「あれ?今日法要あったかな?」とずらずら~っとお越しいただくと、コロナウィルス感染防止対策の意味がなくなってしまうためです。
(喚鐘でお参りいただくと、それでとてもありがたい気がしますが。今回は涙を呑んでっ…!)
配信はなんとか開始できたものの、パソコンやカメラを操作するメインの機材スタッフは私。
お経をよむのも私ということで、大変あわただしかったです。
お経の最中はフォトグラファーをしているつれあいに操作を変わってもらって撮影してもらえたのはありがたかったです。
法話は住職にしてもらったので、法話中は配信に集中することができました。
ただ住職は話しづらそうでしたね…。
ご門徒さんもいない中、(家族はいましたが)カメラに向かっての法話という初めての経験だったようです。
途中、一つのカメラを見てくださいと伝えてからはいつものように話をしてくださったように思います。
本堂にお参りの方はいなくとも、レンズの向こうにはリアルタイムで10人ほどは中継を見ていただいたようですので(最終の視聴回数はまとめの項目で)
反応は分かりにくいかもしれませんが、間違いなく聞いておられるのだと思って話すことが大事だなと感じました。
配信中の技術的なことを振り返ってみると、スマホで配信の最終チェックを途中まで忘れていたり、チャットでもうすぐ法要開始しますよ~というようなお知らせをしようと思っていたのに忘れてしまっていました。
最後の方は慣れてきて音量調整もできるようになったので、最終的にはなんとか映像を視聴者さんに届けられたのではと思います。
オンライン法要 まとめ
といったところで、はじめての法要中継はなんとか終えることができました。
現在、賢明寺チャンネルにて中継を録画したものを無編集でそのままアップロードしたものが公開中ですが、2020年3月25日時点で視聴回数が99回となっています。
1回の法要(一座)で100名近くもお参りするというのはなかなかないことなので、それだけの人たちの目に触れているということはすごいことだなと感じます。
今回はちょっと映像をこだわってしまったので、なかなか大変でしたが
すでに持っているパソコンやスマホを活用して生配信を始めるのであれば負担は大きくないと思います。
オンライン自体にアレルギーがある方もいらっしゃるかもしれませんが、
普段からオンラインを活用して会議をしたり、オンラインイベントに参加したりしておくとある程度慣れてくると思います。

今回もコロナウィルスの騒動が起こってから、積極的にオンラインイベントや研修会に参加して慣れるようにしました。
別の方法としてはオンラインにせずとも、法要をビデオカメラやスマホで録画をして、あとでご門徒さんにDVDを配布したり、コロナウィルスが落ち着いてから上映会をするというのもいいかもしれません。
最後にオンラインの可能性の話をしておきます。
今回のオンライン法要は当初「新型コロナウィルスの影響でやむなし」という判断でしたが、これからの社会状況を考えていくともっとポジティブにオンラインを考えるべきだと思います。
オンラインでのやり取りやテレワークを基本としている企業の話を例に出すと、
その企業ではオンラインで業務に取り組めるため場所を選ばずに仕事ができるだけではなく、採用自体を地域限定にする必要はなく、日本中から採用することができるそうです。
そのため、今までより多くの幅広い人たちを採用することができたと聞いています。
阿弥陀様のおはたらきにはいつでも、どこでも、だれにでもという中心的なものがありますが、
オンラインを活用すれば時を選ばず、場所を選ばず、必要とする人のところへ仏法を届けられる可能性があるのではないでしょうか?
もちろん、オンラインだけではなく顔を合わせて体温を感じるということも、ものすごく大事ですのでオフラインで従来のお寺の活動も大事にしながら、
まずは遠いところにいる人、時間を取るのが難しい人、お参りできない事情がある人も法要に参加できるツールとしてオンラインを活用できればいいのではないかと思います。
トライ&エラーを繰り返し、オンラインの可能性を探っていけばきっとこれからのお寺の面白い方向性を見出せるのではないかと感じています。
それでは、また。
2020年春 オンライン法要 YouTubeライブ配信動画
実際のライブ配信の録画動画リンク>>>賢明寺春彼岸法要オンライン
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